2017年7月21日金曜日

渋谷区ICT教育システム「渋谷区モデル」導入についての説明会レポート

渋谷区ICT教育システム「渋谷区モデル」導入について、渋谷区教育委員会より加藤副参事が来校し説明会が開かれました。

日時:平成29年7月20日(木)18:30~19:30
場所:渋谷区立上原小学校 体育館
登壇者:渋谷区教育委員会事務局 副参事 加藤聖記様

前半は【資料】に沿って、ICT教育システム導入の目的、タブレットの運用イメージ、学習サービス(コラボノート、スタディサプリなど)の概要、セキュリティーについてのご説明をいただきました。詳しくは下記資料をご参照ください。
【資料】https://www.city.shibuya.tokyo.jp/edu/torikumi/pdf/icthuzokusiryo.pdf

後半は質疑応答の時間となりました。保護者の方々からの質問と、加藤副参事の回答内容は以下の通りです。

<質疑応答>

【Q1 】基本的にタブレットの導入については賛成ではありますが、概要が渋谷区のホームページに上がったのが7月11日、学校から配布物が配られたのが7月12日。それから何の説明もないまま、同意書の提出期限の7月20日を迎えました。いただいた資料を見ても何がメリットなのか把握できません。区内全域で展開する上でスケジュールの管理はどうなっているのでしょうか?
【A1】説明不足であるとのご指摘や、スケジュールに無理があるというご意見については本当に申し訳なく思っております。ただ見切り発車しているわけではなく、先駆的な自治体を訪問し、聞き取りをした上で、このような手順を取らせていただいております。9月の導入がスムーズにできるようにさらに努めていきたいと思っておりますので、ご理解をよろしくお願いいたします。

【Q2 】ダイバーシティ教育や、人格の育成も目標のひとつとしてあげられていますが、そこはこのタブレットを用いた教育でどのように啓発していこうとしているのでしょうか?
【A2 】現在、渋谷に関連する多くの企業や有識者、保護者の皆様を含め、いろいろな方面にタブレットを用いた教育に関しての協力を求めています。ICT教育システム導入をきっかけに、みんなで子供を育てる体制を強固にすることが、まずひとつのゴールになると思っています。また今回、特別支援教育について区としてかなり力を入れています。それぞれのお子さんに合った指導ができるように、うまくICTを活用していきたいと思っております。

【Q3 】セキュリティ面についての質問です。顔認証システムについて、「絶対大丈夫」とおっしゃってはいるものの、セキュリティに「絶対安心」ということはないと思っております。万が一、個人情報漏洩という事態が起きた場合、どのようなバックアップ体制を想定していらっしゃるのでしょうか?
【A3 】個人情報については、厳重に確認を取り、今まで導入してきた自治体の例も取り入れて、セキュリティとしてかなり安全性が高いものをシステムとして取り入れております。確かにシステムについては「絶対」はありませんので、引き続きバックアップ体制については協議を進めていきます。

【Q4 】先生方に対するフォローについての質問です。タブレット導入にあたり、区から学校に支援員を配置するとの事ですが、これは子供のための支援員なのでしょうか?教師のための支援員なのでしょうか?
【A4 】教師のために支援員を配置いたします。

【Q5 】どれだけの科目にこのタブレット授業を用いるのでしょうか?実証実験を行った代々木山谷小学校ではどの科目でタブレッ トを使用したのでしょうか?
【A5 】代々木山谷小学校では全ての教科で使用いたしました。基本的に全教科での使用を想定しております。

【Q6】全ての教科でタブレットを用いた学習を導入すると、特に低学年の子供たちにとっては、手を使って複雑な作業をするという機会が減っていくと考えられます。もちろん学年によってバランスを取るといったことも想定されているとは思いますが、渋谷区は、新しい技術を得るために、今までのものをなくすということを容認する立ち位置を取っていると考えてよろしいですか?
【A6】 今までのものを失くしてしまうという事ではなく、今までのものにタブレットを利用するというふうに捉えていただきたく思っております。例えばコラボノートという学習システムの使用によって、今まで模造紙などを使ってかなり時間がかかっていた協働学習が、効率的に出来るようになります。また低学年であれば、画像を撮ってきて、すぐにコラボノート上に入力をして簡単な発表をする事もできます。今までよりも発表する時間をより多く捻出することができ、発表する能力も上がると思っています。全ての時間、場面で使うわけではありませんが、先生方には授業の構成の中で、使えるところではどんどん使っていって欲しいと考えております。

【Q7 】支援員の方がいるので最低限のレベルは確保されると思いますが、学校、学年によっては格差が出てしまうのではないでしょうか?タブレットを一人一台導入することで平等な教育機会をと打ち出していますが、それについてはどのように考えているのでしょうか?
【A7 】タブレットの導入以前にもそういった課題はあったと思います。ただ電子化する事によって、今まで紙で作って処分してしまっていた教材を共有することができ、他の先生でも使えるようになります。全体のレベルが上がってくると考えておりますし、さらに渋谷区の学校全域で共有できるようにすれば、先生方の指導に役立つのではないかと考えております。

【Q8 】端末のスペックについての質問です。タブレットにGPS は搭載されているのでしょうか?また、子供たちの行動を学校側で把握しようとしているのでしょうか?
【A8 】GPS は搭載されています。電源が入っていれば追跡することはできますが、学校側で子供たちの行動を把握するようなことはいたしません。

【Q9 】クラウド利用についての質問です。アプリ自体をクラウド上に置いて、ストリーミングで動かす事になるのでしょうか?それともアプリとして端末の中に入れることになるのでしょうか?また端末で撮った写真や動画はクラウド上に自動的にあげられてしまうのでしょうか?
【A9 】全てクラウド上でやります。端末にソフトはインストールいたしません。また写真や動画については、先生方の指導のもと子供たちがクラウドに移行することになっております。本体にデータが残っているかどうかは教師の方でチェックいたします。また盗難時にはリモートコントロールで本体に残っているデータを消去する事もできます。個人情報が漏れないよう配慮しております。

【Q10 】充電は家庭でもできるのでしょうか?
【A10】 ACアダプターを一台につき二機用意しております。学校と家庭のそれぞれで充電が可能ですが、基本的には学校のAC保管庫での充電を想定しております。